AIは将来の戦争をどう変えるか(下)認知戦への活用に突き進む中露

執筆者:高木耕一郎 2022年11月24日
エリア: アジア 北米
無人攻撃機は兵士が遠隔操作で操縦していたが(写真は訓練)、やがてAIに取って代わられるのか (C)時事
AIはクラウゼヴィッツによる戦争の「不変の性質」すら変えるとの議論がある。確かにAIは「戦場の霧」と無縁に見えるが、一方でAI自身が新たな“霧”の原因にも。(前編はこちらから)

 無人兵器の歴史は古く、1970年代にはイスラエルが実用化している。1991年の湾岸戦争では、米軍が無人偵察機を実戦で用いた。無人兵器の利用が劇的に増加したのはイラク戦争であり、米軍は2004年には150台の無人兵器を使用していたが、それが2008年には1万2000台に増加した。

「意思決定速度」で人間は太刀打ちできない

 これらの初期の無人機は、人間のオペレーターが遠隔操作を行うものであり、人工知能(AI)による自律化は限定的であった。それでも、無人兵器には数多くの利点があり、その利用が急速に広がっていった。

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執筆者プロフィール
高木耕一郎 ハドソン研究所客員研究員。陸上自衛隊1等陸佐。1978年生まれ。北海道大学工学部卒、北海道大学大学院工学研究科修了後、2004年陸上自衛隊入隊。陸上幕僚監部防衛部防衛課防衛班、統合幕僚監部運用部運用第1課防衛警備班等を経て現職。最近の著作は、”Future of China’s Cognitive Warfare: Lessons From the War in Ukraine”, War on the Rocks (July 22, 2022) ; ”New Tech, New Concepts: China’s Plans for AI and Cognitive Warfare”, War on the Rocks (April 13, 2022)、「新領域から『バトル・オブ・ナラティブ』へ」(『戦略研究』、2020年)、「新領域に広がる将来戦と『戦場の霧』」(『国際安全保障』、2020年)、「新領域における将来戦」(『戦略研究』、2019年)、「無人兵器は何処に向かうのか」(『戦略研究』、2018年)など。
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