自由討議が行われた衆院憲法審査会。中央は森英介会長=11月10日(C)時事

 

 衆院憲法審査会が自由討議を重ねている。 

 争点となっているのは、緊急時の国会議員の任期延長などを定める緊急事態条項の創設だ。自民党の与党筆頭幹事の新藤義孝元総務相は、岸田文雄首相や茂木敏光幹事長の意向も踏まえて、「9条にこだわらず、まずは合意できるところから意見集約を始めるべきだ」と強調しており、新型コロナ禍とロシア・ウクライナ戦争を好機と捉え、とりわけ公明党が積極的な姿勢を示している緊急事態条項の議論を優先している。

 11月10、17日の議論では、自民党と公明党、日本維新の会、国民民主党が早期の論点整理を行うよう主張したのに対し、立憲民主党は慎重な姿勢を崩さず、憲法改正手続きを定める国民投票法改正を巡るCM規制などの議論、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題に絡む「政治と宗教」の問題と国葬の規定、さらに国会の召集義務や衆院の解散権に関する議論など、複数の論点を打ち出した。

 議論を早く進めようとする自公維国の「改憲勢力」と、後ろ向きの立民との温度差が浮かびあがっている。

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