APEC首脳会議に際してプラユット首相と握手をする習近平国家主席(C)EPA=時事

 

 11月18~19日にバンコクで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議開催に合わせ、中国の習近平国家主席が17日から19日の3日間、タイを訪問した。

 18日、彭麗媛夫人を伴って王宮にワチュラロンコン国王・王妃を表敬訪問した習国家主席は、国王に対し「国王と王室は長年に亘って中タイ友好関係の柱であり、国王及び王室メンバーが中国を訪れ、現代化した社会をより多く目にされることを歓迎する。中国は王室関連公益事業を支持する」と表明した。

 これに対し国王は習国家主席夫妻の訪タイを敬意を持って歓迎すると語り、中国社会の繁栄と富強に向けての習国家主席の「英明な指導」による「傑出した成果に敬服する」と表明した後、「これまでも訪中を重ね、中国の美しい山河と活力ある社会に接している。機会があったら再び中国を訪れることを希望する」と応じている。

 どうやら今回の習国家主席のワチュラロンコン国王、王室メンバーに対する訪中招請が物語るように、中国のタイ王室接近は前プミポン国王(在位は1946~2016年)の時代より一層進むとも考えられる。あるいは、これまで両国関係の象徴的存在であったシリントーン王女に代わって、ワチュラロンコン国王が中国関連の王室外交の前面に立つ可能性も否定できそうにない。

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