蔡英文総統(左)から頼清徳副総統(右)へ総統のバトンは渡るか(C)AFP=時事

 

 11月26日に投開票された台湾の統一地方選は与党民進党の敗北に終わった。前回の4年前の統一地方選での「大敗」をさらに下回る結果となり、「惨敗」との声もある。蔡英文総統は党主席を辞任し、党内では次の総統選に向けた立て直しが図られている。一方、長期低迷に苦しんでいた国民党は反転攻勢に出たい構えだ。第三勢力の台湾民衆党も、台北市長を任期満了となる柯文哲氏が総統選に出馬する可能性がある。

 台湾の総統選挙の構図が、この選挙によってどう変わり、動くのかを占った。

まったく振るわなかった民進党

 台湾の選挙では、地方選と総統選は完全には連動していない。争点となるテーマが違うからだ。民進党の蔡英文総統が選挙戦終盤、「抗中保台(中国に抵抗し、台湾を守ろう)」という近年支持者に人気があるスローガンを主軸に打ち出そうとしたり、「民進党の候補に投票することは蔡英文に投票することだ」と自分の人気をテコに不利な選挙情勢を挽回しようと試みたりしたが、空振りに終わった。地方選では、やはり候補者の資質、イメージ、再選の場合は4年間の実績が問われる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。