セキュリティー会社が貪る「身代金ウィルス」復旧費用の不明瞭

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執筆者:山崎文明2023年1月23日
国として世界標準のサイバーセキュリティーを構築する取り組みが必要だ[システム障害でモニターが消えた大阪急性期・総合医療センターの集中治療室=2022年12月1日](C)時事

   企業や団体などに金銭を強要するサイバー攻撃が日本で急増している。とりわけ深刻なのが医療機関への攻撃だ。攻撃によって医療行為がストップすれば患者の人命に関わる。こうした攻撃に使われるのは「ランサムウェア」と呼ばれる身代金要求型のコンピュータウイルスだ。

   ランサムウェアは、コンピューターに保存されているデータを盗取した上で暗号化する。「データを復号化(復元)して欲しければ、カネを支払え」などのメッセージがモニター画面に表示、あるいは自動的にプリンターから印刷され、犯人が指定する口座に入金しない限り、コンピューターは使えず、日々の業務が遂行できない。

   身代金を支払えば、暗号化に使用した「暗号鍵」が送られてきて、データの復号化が行える場合がある。一方、支払わない場合は、犯人が自分のブログ上で「(患者の)個人データを公開するぞ」と二重で脅迫してくるケースもある。

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