中国経済の回復見通しが強まってきた[元宵節を迎え観光客らで賑わう北京市郊外の公園=2023年2月5日](C)時事

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年が経過した。その前から原油、天然ガス、液化天然ガス(LNG)、石炭、電力など全てのエネルギー源の価格が高騰する流れがあったが、軍事侵攻で世界最大の化石燃料輸出国ロシアからの供給に不安が高まり、経済制裁や実際の供給停止などが続く中で、国際エネルギー市場はさらに不安定化した。2022年のエネルギー環境はまさに大荒れとなったのである。

   最近は、欧州の暖冬や非ロシア産エネルギー確保が最大限の努力で進められたこと、さらには世界経済の減速の影響もあって、国際市場のエネルギー価格は昨年に付けたピークから大きく低下している。しかし、その価格は原油で80ドル前後など、未だ高価格水準だと言ってよい。しかも、この先、国際エネルギー市場で、どのような不安定要因・不確実要因が発生するのか読めない状況にある。

 最も関心が集まるのはロシアを巡る状況に他ならない。戦争の帰趨が全く見通せない中で、ロシアのエネルギー輸出に今後さらなる波乱は生じるのか。ロシアは2月に導入された西側によるロシア産石油製品に対する価格上限制度に反発し、3月から原油生産量を50万B/D削減すると発表した。ロシアからのLNG供給や、いまだ継続されているウクライナ経由でのパイプラインガス供給の行方といった波乱要因も存在する。

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