「平壌市西浦地区の新しい通りの建設着工式」に出席した金正恩党総書記(中央)と、その「愛するお嬢様」(その右)(『労働新聞』HPより)
 

 2月26日から3月1日にかけての4日間、朝鮮労働党中央委員会第8期第7回全員会議(総会)拡大会議が開催された。近年は党中央委員会全員会議の年2回開催が定例化しており、前回は昨年12月末に開催されたが、それから2カ月という、前例のない連続開催となった。

 議題は、(1)新たな時代の農村革命綱領実現のための初年の闘争状況と一連の重要課題について、(2)人民経済計画遂行規律を徹底的に確立することについて、(3)国家財政金融事業を改善することにおける当面の諸問題について、(4)組織問題(人事)。金正恩(キム・ジョンウン)党総書記が「司会」した。全体として注目点は少なく、2021年末の党中央委員会第8期第4回全員会議で示された「農村革命綱領」を再確認することに主眼が置かれたものと見られる。

 気になるのは、会期最終日の3月1日に開催された党中央委員会第8期第14回政治局会議には金正恩氏が姿を現していないことだ。この十年来、中核的な役割を担ってきた政治局会議を組織担当書記の趙甬元(チョ・ヨンウォン)に任せて自らは欠席する傾向は昨年から散見されるが、それは何を意味するのか。統治のあり方をめぐって依然として試行錯誤を続けているように映り、もう少し観察が必要である。

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