生産・開発畑の有力候補が次々と離脱し……[記者会見する毛籠氏=2023年3月17日、広島市](C)時事

 マツダは6月開催の定時株主総会で、毛籠勝弘(もろ・まさひろ)取締役専務執行役員(62)が社長兼CEO(最高経営責任者)へ昇格することを内定した。丸本明社長兼CEO(65)は、退任して相談役に就く。

 マツダの社長は5年ごとに交代しており、2018年に社長に就任した丸本氏が今春に社長の座を降りることは予想されていたものの、毛籠氏の昇格については「予想外」と関係者は口を揃える。

   というのも、マツダのトップは生産畑か開発畑が多いからだ。マツダが独自の環境対応などの技術「スカイアクティブ技術」によって事業を拡大してきたことが背景にある。

   毛籠氏は営業畑で、マツダで生産や開発といった、ものづくり系以外がトップに就くのは2013年に社長を退任した山内孝氏以来、10年ぶりとなる。

   予兆はあった。生産畑出身で一時は社長候補との声もあった菖蒲田(しょうぶだ)清孝氏が2021年に専務から会長に退き、さらに次期社長の最有力候補だった開発畑出身で副社長兼COO(最高執行責任者)だった藤原清志氏(63)が2022年6月に突如「一身上の都合」を理由に退任(藤原氏は現在、合同会社「Office F Vision」代表)、ものづくり系の社長候補がいなくなった。

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