もしも大切な人に「死にたい」と言われたら

執筆者:中森弘樹2023年3月28日
SNSに溢れる「死にたい」をどう考えれば良いのか(C)photo-ac.com
 

「死にたい」という言葉を大切な人が発したとき、あなたはどう対応するだろうか。

 SNSをきっかけとして生まれた繋がりから、深刻な犯罪に巻き込まれる――このような出来事が報道されるたび、座間9人殺害事件のことを思い出す者は多いだろう。Twitterで「死にたい」とつぶやいていた若い女性たちが、自殺を助けるようなフリをした殺人鬼に言葉巧みに誘い出され、次々に殺害されたあの事件を、である。

 最終的に9人もの命が奪われた同事件の裁判はすでに終了し、犯人の白石隆浩には死刑の判決が下されている。

 さらに、同事件の発覚以来、TwitterをはじめとしたSNSでは様々な対策が講じられている。2023年3月現在、Twitterのヘルプセンターの「自殺や自傷行為に関するポリシー」という項目には、自殺や自傷行為の助長または教唆の禁止が(具体的にどのような行為が該当するかも含めて)明記されており、違反が続くとアカウントが凍結される場合もあるようだ。自傷行為や自殺の恐れがあるユーザーへの対応も進んでいて、たとえば「死にたい」というワードでツイートを検索すると、検索結果の上に、自殺を予防するためのメッセージや支援団体の連絡先が表示されるようになっている。

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