長期的なビジネスサイクルが必要になるLNGにおいて、投資決定を行うための重要なポイントは顧客の確保と、一定の長期的コミットメントの確保だ[米エクソンモービルのガソリンスタンド=2022年7月5日、サンフランシスコ] ©AFP=時事

 

 2022年は国際エネルギー市場がウクライナ危機によって激震に晒された1年であった。原油価格をはじめ、天然ガス・LNG(液化天然ガス)、石炭、そして電力価格の全てが高騰し、激しく変動した。またウクライナに軍事侵攻したロシアに対して、西側諸国は一致して極めて厳しい経済制裁を科し、返り血を覚悟でエネルギー分野に対しても制裁を実施・強化した。

 こうした展開は、当然のことながら、国際エネルギー産業全体に対して、その経営状況や戦略対応に甚大な影響を及ぼすことになった。国際エネルギー産業には様々なプレイヤーが存在するが、中でも代表的存在として常に注目の的となってきたのが、巨大な規模と経営力、世界的なプレゼンスを誇り、かつてはエネルギー市場全体に君臨する存在でもあったメジャーである。今日、長い歴史の中での栄枯盛衰・統合再編を経て、以下の5社がメジャーと位置付けられている。すなわち、ExxonMobil(米)、Shell(英)、bp(英)、Chevron(米)、TotalEnergies(仏)の5社である。

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