UAEはイスラエルとのエネルギー協力を進める方針を変えていない[アブラハム合意に署名後、ホワイトハウスのバルコニーから手を振る(左から)イスラエルのネタニヤフ首相、米トランプ大統領、バーレーンのザヤーニ外相、UAEのアブドラ外相=2020年9月15日](C)AFP=時事

イスラエル外交の年」となった2020年から2年以上を経て、イスラエルを取り巻く状況は大きく変わっている。対内的にはベンヤミン・ネタニヤフ首相が進める司法改革案をめぐって大規模な抗議活動が展開され、対外的にはネタニヤフ政権内の極右閣僚の「神殿の丘」訪問や「パレスチナ人など存在しない」といった過激発言などによって、欧米諸国やアラブ諸国から批判を招いている。

 国内外の厳しい逆風のなか、イスラエルにとって貴重な資産になっているのが東地中海沖のリヴァイアサンガス田である。2030年までに大規模なガス生産能力の拡張を目指すこのガス田は、ロシアのウクライナ侵攻以降、新たな天然ガス供給源を探す欧州諸国の注目を集めているほか、地域諸国からの企業参画やガス輸出などを通じて、イスラエルの地域外交上の重要なツールになっている。

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