ロシアが離脱すれば船舶輸送の保険料高騰は避けられない[「黒海穀物イニシアティブ」に基づく検査を待つ船舶=2022年12月11日、イスタンブールのボスポラス海峡南側の停泊地](C)REUTERS/Yoruk Isik

[ロンドン発(ロイター)]ロシア政府がウクライナ産穀物の輸出に関する国際合意(黒海穀物イニシアティブ)の揺さぶりを狙った発言を続けている。

 この合意は昨年7月、ロシア・ウクライナ戦争によって悪化している世界的な食糧危機へ対処するために、国連が仲介してロシア、トルコ、ウクライナが合意したものだ。穀物や油糧種子の主要産地であるウクライナの3つの港から輸出を再開できるよう、「穀物回廊」と呼ばれる安全な輸送ルートが設けられた。現在の合意は5月18日に期限切れを迎える。

 ここでは、その注目のポイントを紹介する。

■何が輸出されたのか?

 安全な航路が確保されたことで、ウクライナはトウモロコシ1390万トン、小麦750万トンを含む約2770万トンの農産物を輸出できるようになった。これは、現在の2022~23年シーズンにおけるウクライナのトウモロコシ輸出の約60%、小麦輸出の約56%に相当する。その他、菜種、ヒマワリ油、ヒマワリミール、大麦などが出荷されている。

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