「エルドアン再選」に対する悲観と楽観

Foresight World Watcher's 4Tips

執筆者:フォーサイト編集部2023年6月2日
再選したエルドアン大統領の全方位外交が向かう先とは(C)AFP=時事

 

 今週もお疲れ様でした。5月28日にトルコ大統領選の決選投票が行われ、エルドアン大統領が再選を果たしました。欧米メディアには、ますますトルコとロシアの結びつきが強まることを警戒する「悲観論」もあれば、欧州との関係を深めるチャンスかもしれないと説く「楽観論」も。いずれにせよ、急速に国際社会で存在感を増しているこの老獪な政治家に、欧米がさらに手を焼くことになるのは確かでしょう。

 フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事4本、皆様もよろしければご一緒に。

Erdogan's Russian Victory【Soner Çağaptay/Foreign Affairs/5月29日付】

 このTipsでは前回、トルコの大統領選の決選投票の結果とトルコのその後を占う米外交政策研究所(FPRI)の上席研究員、アーロン・スタインの論考を紹介した(米「ウォー・オン・ザ・ロックス」5月24日付)。

 そこではレジェップ・タイイップ・エルドアンの当選は確実なものとされ、トルコは今後、米欧など西側からさらに距離を拡げていくとの見方が示されていた。2つの予測のうちエルドアン当選は的中し、トルコの米欧離れについても同様の危惧を示す論考が、大統領選終了後にも続いている。

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