何百もの宝飾店が軒を連ねドバイの「ゴールド・スーク」[2018年3月24日](C)REUTERS/Christopher Pike

[ロイター]ウクライナ侵攻に伴う対ロシア制裁によって、アラブ首長国連邦(UAE)がロシア産の金の新たな貿易拠点となっている。侵攻以降の1年間に行われた1000件近い金の輸出記録の詳細を含む通関記録によると、UAEは43億ドル(約6000億円)に相当する75.7トンの金塊をロシアから輸入した。前年2021年の輸入量1.3トンに比べると大幅な増加だ。

 UAEに続く輸入国は中国とトルコで、2022年2月24日から今年3月3日までの間に、それぞれ20トンずつ輸入している。UAEと合わせた3カ国で、この期間のロシアによる金輸出の99.8%を占めている。

 従来、ロシア産の金は金取引・保管の拠点であるロンドンに輸送されてきたが、侵攻以降、多くの多国籍銀行、物流会社、希少金属精製所はロシア産の金の取引を中止した。ロンドン貴金属市場協会(LBMA)は2022年3月7日以降に鋳造されたロシア産金塊の取引を禁止し、同年8月末までに、イギリス、EU(欧州連合)、スイス、アメリカ、カナダ、日本がロシア金塊の輸入を禁止した。

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