アステモはEVの重要なデバイスである駆動用モーター事業に強みがある[2022年9月13日、ホンダの二輪車電動化目標を発表した際の竹内氏](C)時事

 

 日立製作所傘下の自動車部品メーカーの「日立Astemo(アステモ)」は、今年3月末までホンダの代表権を持つ副社長でナンバー2だった竹内弘平氏(63)を7月1日付けでプレジデント&CEO(最高経営責任者)に迎える役員人事を内定した。日立出身のブリス・コッホプレジデント&CEO(59)は日立ヨーロッパの会長に就任する。

 ホンダのナンバー2が部品メーカーのトップに就くのは異例で、しかも竹内氏はホンダでCFO(最高財務責任者)を務めるなど、経理畑が長い。電気自動車(EV)シフトへの対応を急ぐホンダの思惑も見え隠れする。

 アステモのトップ交代自体は予想されていた。今年3月30日、日立とホンダが、アステモの資本構成を今年9月に変更することで合意していたからだ。

 アステモは日立の自動車部品事業会社だった日立オートモティブシステムズと、ホンダ系サプライヤーのケーヒン、ショーワ、日信工業の4社が2021年1月に経営統合して発足した。経営統合後の株主構成は日立が66.6%、ホンダが33.4%。これを日立とホンダが40%ずつ、JICキャピタルが運営する投資ファンドが残りの20%を出資する形に変更することで合意した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。