ホンダ「ナンバー2」の竹内氏、「日立Astemo」トップ就任で寄せられる期待
PERSONALS【人事情報】

日立製作所傘下の自動車部品メーカーの「日立Astemo(アステモ)」は、今年3月末までホンダの代表権を持つ副社長でナンバー2だった竹内弘平氏(63)を7月1日付けでプレジデント&CEO(最高経営責任者)に迎える役員人事を内定した。日立出身のブリス・コッホプレジデント&CEO(59)は日立ヨーロッパの会長に就任する。
ホンダのナンバー2が部品メーカーのトップに就くのは異例で、しかも竹内氏はホンダでCFO(最高財務責任者)を務めるなど、経理畑が長い。電気自動車(EV)シフトへの対応を急ぐホンダの思惑も見え隠れする。
アステモのトップ交代自体は予想されていた。今年3月30日、日立とホンダが、アステモの資本構成を今年9月に変更することで合意していたからだ。
アステモは日立の自動車部品事業会社だった日立オートモティブシステムズと、ホンダ系サプライヤーのケーヒン、ショーワ、日信工業の4社が2021年1月に経営統合して発足した。経営統合後の株主構成は日立が66.6%、ホンダが33.4%。これを日立とホンダが40%ずつ、JICキャピタルが運営する投資ファンドが残りの20%を出資する形に変更することで合意した。
アステモ発足の当初は、4社の製品や技術を融合することで、ボッシュやコンチネンタル、デンソーなどのように自動車メーカーにさまざまな部品を組み合わせたシステムで供給できるメガサプライヤーとなることを目指していた。ホンダもメガサプライヤーからのコスト競争力の高い部品を積極的に調達する方針で、事業規模が大きくない系列サプライヤーを統合することに前向きだった。
しかし、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、EVシフトが想定以上のペースで加速すると状況が一変する。……

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