世界反ドーピング機関シンポジウムに出席したWADA事務局長オリビエ・ニグリ氏[2022年6月11日、スイス・ローザンヌ](C)REUTERS/Denis Balibouse

 

[トロント発(ロイター)] 世界反ドーピング機構(WADA)とグローバルeスポーツ連盟(GEF)は、eスポーツの選手を対象にしたドーピングに関する教育プログラムを実施すると発表した。eスポーツがWADAのアンチ・ドーピング規定に署名し、オリンピックの正式種目になる道を開くとともに、薬物を使用する選手を競技から締め出すことになりそうだ。

 GEFは数時間から数日間もスクリーンの前で過ごすゲーマーに対し、パフォーマンス強化薬の危険性を警告する内容の健康とウェルネスに関する行動計画を策定した。ゲーム産業は10億ドル(約1420億円)の規模を持ち、eスポーツ大会では数十万ドルの賞金が出されるにもかかわらず、薬物検査に関する規制機関がない。

 WADAのオリビエ・ニグリ事務局長はロイターに対し、「eスポーツ連盟は薬物の濫用という課題があることを認識しており、今すぐに選手の教育を開始する必要があると考える。彼らは1日16~18時間プレイし、健康的とは言い難い生活習慣を送っている」と語った。GEFの理事で『The Handbook of Esports Medicine』編集者のメリタ・ムーア氏も、eスポーツにおけるパフォーマンス強化薬の使用は、よく知られた問題だと証言する。

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