インテリジェンス・ナウ

「ドーピング」に初めて刑事罰:FBIが東京五輪に照準

執筆者:春名幹男 2021年7月21日
エリア: その他
FBIによるドーピング取り締まりが、IOCとバッハ会長(写真)の闇を暴く“蟻の一穴”となるか[IOC提供](C)時事
FBIが東京に乗り込み、ドーピング問題でIOCにメスを入れる可能性があるという。プーチン露大統領と親密な関係にあるバッハIOC会長の闇に光が当たるのか――。

 東京五輪開幕に新型コロナウイルス感染症の急拡大が重なり、国民の不安が募る日本。そんな状況を正しく理解しない国際オリンピック委員会(IOC)に対する批判も高まっている。

 その舞台裏で米連邦捜査局(FBI)を中心とした各国の法執行機関がIOCが抱える別の重大な問題に対し、鋭い視線を向けている。

 米議会で昨年11月、ドーピングを取り締まる「ロドチェンコフ反ドーピング法」が圧倒的な賛成多数で可決、大統領の署名を得て同12月に成立した。東京五輪で、初めてこの法律の適用が可能になる機会が訪れる、というのだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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