FBIによるドーピング取り締まりが、IOCとバッハ会長(写真)の闇を暴く“蟻の一穴”となるか[IOC提供](C)時事

 東京五輪開幕に新型コロナウイルス感染症の急拡大が重なり、国民の不安が募る日本。そんな状況を正しく理解しない国際オリンピック委員会(IOC)に対する批判も高まっている。

 その舞台裏で米連邦捜査局(FBI)を中心とした各国の法執行機関がIOCが抱える別の重大な問題に対し、鋭い視線を向けている。

 米議会で昨年11月、ドーピングを取り締まる「ロドチェンコフ反ドーピング法」が圧倒的な賛成多数で可決、大統領の署名を得て同12月に成立した。東京五輪で、初めてこの法律の適用が可能になる機会が訪れる、というのだ。

 これまでドーピングは「世界反ドーピング機関(WADA)」やIOCにより摘発され、制裁措置が取られてきた。

 しかし、ロシアが情報機関まで動員して行った組織的なドーピングが表面化して以後、米国では厳格な取り締まりを求める声が高まり、刑事罰を科すことになったというのだ。同時に、トーマス・バッハIOC会長がロシアに対する厳しい制裁を避けたことに対する不信感も強まっている。

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