大学生を相手に行われている軍事教練[2023年5月15日、キーウ市内] 撮影:筆者(本記事の写真すべて)

 

 先月(2023年5月)12日~18日の1週間、ウクライナのキーウに取材のため滞在した。ウクライナ軍の反転攻勢開始が伝えられる中、ロシア軍のウクライナ諸都市に対するミサイル、ドローン攻撃も激しさを増していた。ただ、不断の緊張の中でも、国民の間に動揺や戦争疲れが広がっている気配はなかった。

最大規模のミサイル、ドローン攻撃

 13日、宿泊しているホテルの廊下から「警報が流れました。シェルターに入ってください」という館内放送が聞こえてきた。時計を見ると22時30分。慌てて、避難中でも作業できるパソコンや資料を小脇に1階に降りる。

 シェルターは地下駐車場に設置されているが、宿泊客が続々と降りてくるという気配もなく、受付のホテル従業員に念のため、「シェルターに入った方がいいのか」と聞いてみる。「その方がいい」という答え。

 シェルターは地下2階の奥まったところにあった。カーテンが吊るされ、その奥に椅子やベッドが並べられている。

 数人が来ているのみで、その後数が増えるという気配もない。かなり冷えてきたのでセーターを着こむなどして、椅子に腰かけてうつらうつらしながら2時間ほど過ごしたが、状況の変化もないので独断で部屋に戻ってしまった。部屋に戻ってしばらくして「宿泊客の皆様、警報は解除されました」という館内放送が流れてきて、ほっとした。

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