党中央委第8期第8回全員会議拡大会議は、16日に開会した(『労働新聞』HPより)
 

 6月16日、朝鮮労働党中央委員会第8期第8回全員会議(総会)拡大会議が金正恩(キム・ジョンウン)総書記「出席」のもと開会した。事前予告は「6月上旬」だったため、理由は不明ながら少し延期しての開催となった。党規約は「党中央委員会は全員会議を1年に1回以上招集する」(第26条)と定めており、今回は、昨年末の第6回今年2月末の第7回全員会議に続く招集となった。

 会期初日の報道ぶりは、「2023年上半期の、経済部門をはじめとする各部門の事業状況を総括、対策して、党の強化発展と国家建設、変化した国際情勢に対処する国家外交及び国防戦略についての問題など、われわれの革命発展で重大な意義を持つ政策的諸問題を討議、決定する」と述べるにとどまり、前回までに比べて簡素なものとなった。

 15日付の1面トップは、「尊敬する」習近平総書記の古希を祝う金正恩総書記の祝電紹介であり、その下段には中国共産党対外連絡部副部長を通じて花籠が贈られたことも報じられた。

 12日付の1面トップは、1990年の国家主権宣言を祝う「ロシアの日」に際してのウラジーミル・プーチン露大統領宛の祝電が掲載された。例年よりも文章が長く、気持ちの込められた表現が目立つ。例えば、昨年は「あなたが健康で、親善的なロシア人民に福利と繁栄があることを心より願っています」との一文で締められたが、今年は「あなたが健康で、責任ある事業でより大きな成果を得ることと、親善的なロシア人民にいつでも繁栄と発展、勝利だけがあることを心より願っています」と踏み込んだ。現在の国際情勢を「新冷戦」と捉える金正恩政権がモスクワに擦り寄っている様子が窺える。

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