米議会図書館で著書『The Hurting Kind』を朗読するエイダ・リモン (C)REUTERS
 

[ワシントン発(ロイター)] 米国の詩人であるエイダ・リモン(47)は、木星の衛星エウロパに向かうNASA(米航空宇宙局)の探査機「エウロパ・クリッパー号」に搭載する詩を書くよう依頼されたとき、その名誉に興奮した後、仕事の偉大さに戸惑いを感じたという。

 メキシコにルーツを持つリモンは、2022年7月にラテン系として初めて第24代桂冠詩人(Poet Laureate)に指名された。桂冠詩人は、米議会図書館が全米トップの詩人に授与する称号だ。

「探査機に搭載する詩なんて、どこから始めればよいのだろう」——。米議会図書館で詩の依頼を受けた時、彼女は頭を抱えたという。それからちょうど1年後の6月1日夜、米連邦議会議事堂の向かいにある図書館でセレモニーが行われ、リモンの21行の作品「In Praise of Mystery: a Poem for Europa」が初めて公開された。リモンが一般の観客の前で朗読すると、スタンディングオベーションが起こった。この詩は7つの3行詩からなる自由詩で、エウロパ・クリッパー号の外装にリモンの筆跡で刻まれることになっている。

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