北朝鮮にとっては今なお、「米帝」マッカーサー連合国軍最高司令官(左)と「傀儡」李承晩韓国大統領(右)による「北侵」こそが、朝鮮戦争なのだ
 

 朝鮮戦争が勃発した6月25日は、「米帝反対闘争の日」とされる。同日付の1面トップには、「祖国守護精神」を主題に、1950年代の朝鮮戦争を戦った兵士たちと人民を称えた論説が掲載された。「最も大きな国難に直面して、最も大きな勇気を発揮し、最も大きな勝利と栄誉をもたらした戦勝世代」を称賛しつつ、その「子孫らしく」生きることを自国民に訴えたものだ。続く第2面では、「米国の奴らは朝鮮人を見誤った」と題して、北朝鮮の力強さを見くびったからこそ米国は「侵略戦争」に失敗したのだと論じている。冷戦期にはわが国においても北朝鮮による南侵説を疑う声もあったが、ソ連崩壊後にモスクワと平壌間の電報などが開示されたことで真実は明確となった。いまや中国の研究者も慎重に述べるようになり、朝鮮戦争が米韓による北侵だったと頑なに主張するのは北朝鮮のみとなった。

 25日付最終ページの第6面は、「今日も変わることのない米帝の朝鮮侵略野望」と題する記事で「傀儡軍」(韓国軍)との合同軍事演習などを非難した。この日の紙面だけでも「米帝」を76回連呼している。同日開催された、平壌メーデースタジアムでの12万人市民による「群衆集会」(大衆集会)の様子は翌日付で詳報された。

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