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【前回まで】赤字国債発行は異常事態、必要なサービスを提供するために税がある――土岐は、学生たちに正義を説いた。女子学生の一人が、防衛費は倍増で足りるのかと疑問を投げる。

 

Episode3 リヴァイアサン

 

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 講義が終わり、教授室にいるのは、宮城、土岐、そして周防の3人だけになった。

「それで、あと、どれぐらい持つ?」

 缶ビールでひと息入れたあとで、土岐が周防に尋ねたのは、防衛省と主計局防衛係の攻防の決着時期の話だ。

「明日、合意に達しても不思議ではありません」

「松平さんが、そんな簡単に陥落するのか」

「さすがの“仕事人”も、泣く子と地頭[じとう]には勝てません」

 意味が不明だった。

「おい、ミスター財務省、あんたアフリカで悪い病気もらってきたんじゃないの? 言っている意味が、全然分からないんだけど」

 宮城が割り込んできた。

「あっ、すみません。泣く子は世論で、地頭は官邸です。もちろん、官邸が言ってるのは、5年間で倍にせよということですから、まずは1.2から1.3ぐらいになるのだと思いますが」

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