皇后雅子さまと入省同期の岡野正敬・内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長 (C)時事

 

 G7広島サミットのあおりで遅れていた夏の外務省人事がほぼまとまり、森健良外務事務次官の後任に、岡野正敬内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長(59歳/1987年外務省入省)の起用が有力になった。発令は8月の見通し。ただし、土壇場で番狂わせの可能性も残っている。

 岡野氏はフレンチスクール出身で、「やさしそうな外見とは裏腹に、胆力と統率力がある」(官邸筋)とされ、岸田官邸の評価が高い。外務次官を2年務めた後、秋葉剛男国家安全保障局長の後任として日本版NSCを指揮する可能性がある。

 岸田政権下では、各省庁の「次官2年ルール」が定着してきた。

 東京大学法学部卒の岡野氏は、皇后雅子さまと外務省の同期だ。在中国大使館、在米国大使館に勤務し、ロシア課長、総合外交政策局長などを歴任。安全保障問題にも詳しい。実現すれば、内閣官房副長官補からの外務次官は、谷内正太郎氏、河相周夫氏以来で、戦後3人目となる。

 当初、次官候補には、岡野氏の1年先輩の山田重夫外務審議官(59歳/86年入省)が有力視されていた。自民党の茂木敏充幹事長は外相時代に懐刀としていた氏の次官起用を働き掛けたが、岸田文雄首相が岡野氏を選択したとされる。

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