株主からは「不正のデパート」との厳しい声が相次いだ[2023年6月28日、大阪市住之江区](C)時事

 関西電力の業績が絶好調だ。会社が公表した業績予想によると、2024年3月期の純利益は3050億円と過去最高益を更新する見通しである。その水準は、従来の最高益だった2006年3月期(1610億円)の1.89倍に達している。

 だが、この好調を手放しで評価するのは難しい。関電の危うい絶好調ぶりを検証してみよう。

課徴金を逃れて利益増

 4年半ぶりの株高下で開催され、森望社長が冒頭で「ご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます」と頭を下げたにもかかわらず、関電が6月28日に開いた株主総会では株主たちが経営責任を問い続けた。

 2019年に発覚した経営幹部らが福井県高浜町の元助役から多額の金品を受領していた問題は、まだ誰の記憶にも新しい。にもかかわらず、昨年から今年にかけても、送配電子会社が持つ競争相手(新電力各社など)の顧客情報を不正に閲覧したり、法人向け電力料金のカルテルが摘発され経済産業省から業務改善命令を受けたりと、不祥事が立て続けに明るみに出ている。

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