連載小説 オペレーションF[フォース] 第25回
2023年8月12日
【前回まで】次世代装備研究所で磯部を待っていたのは、海自の幹部有志4人だった。彼らは防衛力整備計画に原潜開発を書き込むよう迫る。一方、桃地宅で周防を待っていたのは――。
Episode3 リヴァイアサン
8
「僕が来るからって、ますます意味が分からないんだけど」
「周防さん、まずはこれを受け取って下さいな」
トキ子が、A4サイズの封筒を差し出した。表に、『リボーン』と毛筆で記されている。懐かしい桃地の筆跡だ。
封の中には100枚ほどの原稿用紙が入っていた。
もしや、と思いつつ周防は原稿用紙をめくった。
“日本が破滅してから3ヵ月後――。
くたくたになって眠っていた大須[おおす]は、目覚めると意を決して叫んだ。
「もう、逃げてばかりではいられない。ここは立ち上がり、日本に残った者で、やるしかない!」
やるしかないって、いったい何を……?
「日本を再生させる。いや、再生じゃない。今までにない希望に満ちた国づくりをするんだ」”
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。