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【前回まで】次世代装備研究所で磯部を待っていたのは、海自の幹部有志4人だった。彼らは防衛力整備計画に原潜開発を書き込むよう迫る。一方、桃地宅で周防を待っていたのは――。

 

Episode3 リヴァイアサン

 

「僕が来るからって、ますます意味が分からないんだけど」

「周防さん、まずはこれを受け取って下さいな」

 トキ子が、A4サイズの封筒を差し出した。表に、『リボーン』と毛筆で記されている。懐かしい桃地の筆跡だ。

 封の中には100枚ほどの原稿用紙が入っていた。

 もしや、と思いつつ周防は原稿用紙をめくった。

“日本が破滅してから3ヵ月後――。

 くたくたになって眠っていた大須[おおす]は、目覚めると意を決して叫んだ。

「もう、逃げてばかりではいられない。ここは立ち上がり、日本に残った者で、やるしかない!」

 やるしかないって、いったい何を……?

「日本を再生させる。いや、再生じゃない。今までにない希望に満ちた国づくりをするんだ」”

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