大連合「INDIA」を結成した面々。左から国民会議派のカルゲ総裁、西ベンガル州のバナジー首相、ビハール州のクマール首相

 

 ナレンドラ・モディ首相率いる与党インド人民党(BJP)の「3連覇」が濃厚となっている2024年春の総選挙を目指し、最大野党国民会議派(コングレス)や有力地方政党など26党による野党連合が7月中旬、ついに成立した。全国規模で野党候補の共倒れを防ぐ選挙協力や、統一首相候補の擁立、共通政策の公表などさまざまな難題が待ち受けるが、前回2019年の総選挙での得票率を見れば、選挙協力が成功すれば野党は理論上大幅な議席の積み増しが可能となる。

 野党連合は、当初の旗振り役だった南部テランガナ州の政権党インド国民会議(BRS)のK・チャンドラセカーラ・ラオ党首(同州首相=県知事に相当)が加わらないなど、不安混じりの船出となったが、モディ一強の政治情勢において野党が一矢報いる最後のチャンスとなりそうだ。

得票率ではBJP超えも

 政党連合は「インド国家発展包括的連合(INDIA)」という、まさに狙いすましたネーミングだ。定数543議席の連邦下院で50議席を持つ国民会議派のほか、同24議席を保有し南部タミルナドゥ州で政権を握るドラビダ進歩同盟(DMK)、西ベンガル州首相の剛腕女性政治家ママタ・バナジー氏が率いる全インド草の根会議派(TMC)、首都デリーと北西部パンジャブ州で政権を担う新興政党・庶民党(AAP)、今回の政党連合の仕掛け人となった人気政治家ニティシュ・クマール氏率いる北部ビハール州の政権党ジャナタ・ダル統一派(JD-U)、国民会議派政権時代には一時閣外協力していたインド共産党マルクス主義派(CPI-M)など左翼政党4党も加わっている。

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