[承前]
ウクライナの地上兵力は航空支援なしでの攻撃を余儀なくされているため、最前線での防御陣地をなんとか突破したとしても、ロシアは後方の予備兵力の戦車部隊を派遣してその突破を食い止めることができる。阻止攻撃ができれば、そうした戦車部隊が前線に移動できないようにすることができるが、ウクライナ空軍はそうした作戦を行うことができていない。ゆえに、ロシアとしては比較的有利な形で地上での防御戦闘を展開できている。
3.打開の可能性は?
■クラスター弾の効果は限定的
この膠着した現状を打破する1つの手段として、米国はクラスター弾の提供に踏み切った。クラスター弾は、1発の砲弾や爆弾から数十発の小型爆弾を広範囲に散布する。そのため、ある程度の広がりを持った「面」を制圧することができる。米国が提供したのは155mm榴弾砲から発射するクラスター弾だが、これは戦車の装甲も貫ける小型爆弾を半径80m位の範囲に散布させる。
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