ウクライナ和平会合、参加国拡大でサウジが示した「グローバル・サウス動員力」

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執筆者:村上拓哉2023年8月10日
米中代表を両脇にして発言するサウジのアイバン国家安全保障顧問(中央)[2023年8月6日、サウジアラビア・ジェッダ](C)AFP=時事/SPA

 8月5日から6日にサウジアラビアのジェッダで開催されたウクライナ和平会合は、G7・EU(欧州連合)諸国とグローバル・サウスを結びつけることができるサウジアラビアの外交力を示す格好の場となった。

 各国の国家安全保障顧問級を集めたウクライナ和平会合は、6月24日にデンマークのコペンハーゲンで開催されて以来、二度目の実施となる。コペンハーゲン会合においても今回のジェッダ会合においても、昨年11月にウクライナが提案した「平和の公式(ピース・フォーミュラ)」10項目について議論が行われている。ウクライナの領土一体性の回復やロシア軍の撤退などを盛り込んだ「平和の公式」は、現在ウクライナが世界各国からの支持を取り付けるべく全力で取り組んでいる外交目標であるが、G7やEU諸国以外からの認知や支持は十分に得られていない。コペンハーゲン会合においても参加国はG7、EU諸国を中心に、ブラジル、インド、南アフリカ、サウジアラビア、トルコ等のG20諸国の一部に限られていた。

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