8月9日に行われた党中央軍事委員会拡大会議で、金正恩総書記は韓国とおぼしき地図を指しながら「指導」(『わが民族同士』HPより)
 

 このところ金正恩(キム・ジョンウン)総書記の動静報道は少なかったが、先の1週間は目についた。ただし、それらはいずれも軍事関連であった。8月6日付は、3日から5日にかけて行われた、超大型大口径放射砲(多連装ロケット砲)の砲弾生産工場をはじめとする複数の重要軍需工場への現地指導について報じた。金正恩は「生産工程の現代化」を重視し、「自動化」「精密化」についても複数回言及している。1面トップに大きく掲載された写真では、金正恩の周囲にいる複数の人物の顔にモザイクが掛けられた。

 10日付は、前日に開催された朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第7回拡大会議について報じた。金正恩がこの会議を「指導」し、「軍隊の戦争準備を攻勢的にさらに急がせることについての綱領的結論」を出したという。また、「配備された新型武装装備を最大の戦闘力効果が発揮できるよう効率的に運営するための実戦訓練を積極的に繰り広げ、常に動員された戦闘準備態勢を維持することで軍隊の戦争遂行能力を飛躍的に上昇させなくてはならない」といった発言があった。記事には、モザイクが掛けられているものの明らかに韓国と分かる地図を金正恩が指さしながら発言している複数の写真が添えられた。今月下旬に予定されている米韓合同軍事演習への対抗方針についても指示が出されたものと見られる。

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