Weekly北朝鮮『労働新聞』 (25)

軍事関連の動静情報が増えた金正恩(2023年8月6日~8月12日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年8月14日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
8月9日に行われた党中央軍事委員会拡大会議で、金正恩総書記は韓国とおぼしき地図を指しながら「指導」(『わが民族同士』HPより)
米韓合同軍事演習への対抗か、軍需工場への現地指導、党中央軍事委員会拡大会議での指導や軍幹部人事など、金正恩の軍事関連の動静報道が増えている。党中央軍事委員会副委員長を解任後に姿を消した朴正天の復帰も確認。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 このところ金正恩(キム・ジョンウン)総書記の動静報道は少なかったが、先の1週間は目についた。ただし、それらはいずれも軍事関連であった。8月6日付は、3日から5日にかけて行われた、超大型大口径放射砲(多連装ロケット砲)の砲弾生産工場をはじめとする複数の重要軍需工場への現地指導について報じた。金正恩は「生産工程の現代化」を重視し、「自動化」「精密化」についても複数回言及している。1面トップに大きく掲載された写真では、金正恩の周囲にいる複数の人物の顔にモザイクが掛けられた。

 10日付は、前日に開催された朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第7回拡大会議について報じた。金正恩がこの会議を「指導」し、「軍隊の戦争準備を攻勢的にさらに急がせることについての綱領的結論」を出したという。……

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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