8月21日、堤防が決壊して冠水した平安南道の安石干拓地の被災現場で、腿まで浸かって現地指導する金正恩総書記(中央)。趙甬元書記(左隣)や朴正天氏(右隣)の同行が確認できるが、金徳訓総理の姿はなかった[『わが民族同士』HPより]
 

 引き続き金正恩(キム・ジョンウン)総書記の動静報道が多い。8月24日付1面トップは、南浦(ナンポ)市にある金星トラクター工場を現地指導したとのニュースであった。同工場は3代の最高指導者が何度も足を運んできた主力工場の1つであり、農業分野重視の表れである。

 先立って22日付1面トップは、平安(ピョンアン)南道干拓地建設総合企業所安石(アンソク)干拓地の被害復旧現場への現地指導を報じていた。南浦市温泉(オンチョン)郡石峙(ソクチ)里にある安石干拓地の堤防に対する排水構造物設置工事に不備があったことから堤防が決壊し、水稲を植えた約270ヘクタールを含む計560ヘクタールあまりの干拓地が冠水したという。

「無責任」「職務怠慢」と金徳訓総理を糾弾

 ここで注目されるのは、朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員でもある金徳訓(キム・ドックン)内閣総理が「無責任な職務怠慢行為」を働いたとして金正恩から強く糾弾されたことである。「内閣総理は傍観的な態度で現場を1、2度回ってみて、副総理を派遣するのにとどまり、現場に出向いた副総理なる者は燃油供給員の役しかせず、主人として工事を直接指揮すべき干拓地建設局長は、自分は特にすることがないので帰ると党委員会に提起して批判を受けても、ほとんど企業所の事務室に居座って無為徒食し、排水門工事用として国家から供給された多くの燃油を別に取っておいて密かに隠匿するという行為までしたというが、本当になっていない連中だ」と怒り心頭なのである。

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