9月8日、建国75周年記念閲兵式に臨んだ金正恩と「尊敬するお嬢さま」。左端には党軍政指導部長として復権した朴正天の姿も(『わが民族同士』HPより)
 

 9月9日、北朝鮮が建国75周年を迎えた。住宅建設など各分野での成果を誇示し、外国首脳からの祝電を紹介しながらお祝いムードを高めるなか、9月8日付は、前々日に新型潜水艦の進水式が開催されたことを、8面構成のうち6ページを使って大々的に報じた。この「戦術核攻撃潜水艦」は「金君玉(キム・グノク)英雄艦」と命名され、「主体型海軍武力強化の新時代、転換期の到来を知らせる一大事変」と位置付けられた。金正恩の演説も全文が掲載され、『朝鮮中央テレビ』は約半年ぶりにその肉声を流している。

 シャンパンの瓶を船にぶつけて進水させたのは、崔善姫(チェ・ソニ)外相であった。彼女は8月27日の海軍節慶祝宴会にも参加しており、これら軍の行事で外相が重要な役割を担っている背景がよく分からない。

 建国記念日当日の9日付は、記念行事一色であった。第1面は中央報告大会、第2面から第6面は「民防衛武力閲兵式」の様子が報じられた。2月と7月には正規軍である朝鮮人民軍による閲兵式が挙行されていたが、今回は事前に予告されていた通り「民防衛武力」「民間武力」すなわち、労農赤衛隊を中心とした民兵による閲兵式となった。

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