政権不人気の最大の理由であるインフレは、ドイツ人にとって一種の国民的トラウマだ[連邦議会で行われた予算案の一般討論会に出席したショルツ首相=2023年9月6日、ドイツ・ベルリン](C)EPA=時事

 ロシアによるウクライナ侵攻以来、約1年半が経過し、独ショルツ政権が発足して、1年9カ月が過ぎた。しかし、政権の人気は長期低迷から抜け出せないでいる。直近の2023年9月の世論調査(Forsa)で、今度の日曜日に連邦議会選挙があったなら、どの政党に投票するかという問いに対して、政権与党の社会民主党(SPD)は16%、緑の党は14%、自由民主党(FDP)は7%であった。最大野党のキリスト教民主同盟/社会同盟(CDU/CSU)の27%はおろか、極右政党と目されるドイツのための選択肢(AfD)21%にも及ばない結果となっている。

出典:Statista提供のForsa調査データより編集部作成(9月5日現在)

 政府への満足度を問う質問に対しても、あまり満足していない(44%)、まったく満足していない(35%)を合わせると、実に79%の国民が政府の仕事に不満を持っているという状況である。

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