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 世界の動きを知るうえで押さえておきたいトピックの第一人者に、長野光と関瑶子のビデオクリエイター・ユニットがインタビューをするYouTubeチャンネル「Point Alpha」。今回は、生成AI(人工知能)の学習スキームや「マルチモーダルAI」など複数のAIを連携させることで広がる可能性について、東京大学名誉教授・須藤修氏に話を聞いた。 ※主な発言を抜粋・編集してあります。

──生成AIは、質問に対して思考して回答しているのではなく、入力されたプロンプト(AIに対するユーザーの指示)に対して、よく使われる言葉を選んでつなげて出力していると言われます。どのように私たちの質問に対して回答を構成しているのでしょうか?

 「言葉に対応して文章を紡ぎ出す『トランスフォーマー』という深層学習モデルが重要な機能を担っています。人間のように思考して話をしているわけではありません。では、どのように文章を構成しているのかというと、トランスフォーマーのロジックにはいくつかの段階がある」

 「最初に『トークン化』という段階があります。今、私が話している内容を文章にすると、文を単語ごとに区切ることができる。この各単語を『トークン』と呼びます」

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