後任と政府介入の有無が注目される[中国・香港で行われた年次決算の記者会見に出席した許家印会長=2016年3月29日](C)REUTERS/Bobby Yip

[シドニー発/ロイター]世界最大の負債を抱える恒大は、中国経済の約4分の1を占める不動産セクターにおける未曾有の流動性危機の中心だ。

 2020年には1100億ドル(約16兆4000億円)の売上高を誇る中国トップのデベロッパーだった恒大だが、21年に経営危機が表面化した。以来、住宅販売の低迷と資金調達難に見舞われた同社といくつかの同業他社では、中国本土外で発行したオフショア社債で相次ぎデフォルト(債務不履行)に陥っている。

債務再編が頓挫したらどうなるか

 恒大は債券、担保、買戻債務を含む317億ドル相当の海外債務の再編計画を進めている。今年3月には、オフショア債保有者に対して、期間10-12年の新発債と交換するなどの計画を提案した。しかし、当局による調査の影響で新規の債券発行ができなくなり、この計画は混乱に陥っている。

 オフショア債保有者の主要グループは、恒大が10月30日までに新たな再建計画を提示できなければ、同日に香港で開かれる清算申し立てに参加する予定だ。恒大が清算されれば、海外債権者は同社役員や海外資産に対する請求権によって、投資のごく一部を取り戻せるに過ぎないが、中国政府による介入や当座の金融支援が行われる可能性は低い。この最悪のシナリオも現実味を持っている。

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