タービンの大型化・高効率化を目指す競争は性急すぎたとの声も[仏ノルマンディー地方ルアーブルにあるフェカンプ海洋公園に設置された風力タービンの基礎工事現場=2022年5月1日](C)REUTERS/Pascal Rossignol

[ロンドン発/ロイター]化石燃料への依存度を引き下げる競争が、クリーンなエネルギーの需要の高まりに後れを取らないようメーカーやサプライチェーンにプレッシャーをかけている。それが特に顕著なのは欧州連合(EU)だ。EUでは、2030年までに全エネルギーの42.5%を再生可能エネルギーで賄うという、法的拘束力を有する目標をすでに最終決定してしまっている。

 業界団体のウィンドヨーロッパによると、EUが再生可能エネルギーの比率を現在の32%から42.5%という新たな目標まで引き上げるには、風力発電の容量を現在の205ギガワット(GW)から420GWへと2倍以上に、うち洋上風力発電の容量にいたっては17GWから103GWと6倍にまで増やす必要がある。

 しかし、現時点ではイギリス、オランダ、ノルウェーの洋上プロジェクトは、コスト高とサプライチェーンの制約により延期または棚上げになっている。9月8日にイギリスで行なわれた再生可能エネルギー向け補助金をめぐる入札では、洋上風力発電についての応札は皆無だった。これもコスト高への懸念ゆえの結果だ。

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