外食全体は伸びているが高級店では節約ムード[重慶市の観光地・洪崖洞。併設されている飲食店にも黒山の人だかり=2023年9月] 写真:筆者撮影

 中国経済に対するネガティブなニュースが多い。

 雇用では今年6月に若年層(16~24歳)の失業率が21.3%と過去最悪を更新し、7月以降は統計が発表されなくなった。2021年から続く不動産不況は今なお続き、大手デベロッパーのデフォルト(債務不履行)危機がたびたび話題になる。輸出は今年5月以降、前年比マイナスが続いている。

 統計だけではない。「地方政府の財源不足のため、公務員や公共団体での給与未払いが横行。抗議デモやバスの運行中止、病院閉鎖といった事態にまで発展。一部の地方自治体では人員削減のため公務員に転職を促す動きも」「不動産危機で地方銀行倒産の噂が。銀行は札束を山と積んで安全性をアピール」「不動産価格下落が進み、1軒購入したらもう1軒をプレゼントなどの値引き策まで登場」などなど、不景気を伝えるニュースも枚挙に暇がない。

 さらに付け加えると、「中国の統計は信じられない。輸入がマイナスなのだから、本当はGDP(国内総生産)もマイナス成長なのではないか」といった憶測から、「経済低迷に伴う国民の不満をそらすため台湾侵攻に踏み切るのでは」といった予測まで見かけるようになった。

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