内燃機関車からの撤退時期を明確に示した三部敏宏社長に対して、社内から批判の声が高まるのは必至だ[ジャパンモビリティショーでプレゼンする三部社長=25日、東京ビッグサイト](C)時事

 ホンダとゼネラルモーターズ(GM)が量販価格帯の電気自動車(EV)の共同開発を中止したことが明らかになった。両社が開発資金を分担するとともに、世界各国にある両社の工場で生産することで、コスト競争力の高いEVをグローバルで供給、先行するBYDなどの中国系自動車メーカーやテスラなどの新興自動車メーカーに対抗する計画だったが、EV市場の激変で方向転換を余儀なくされた。とくにホンダは出遅れていたEV事業に関してGMを頼りにしてきただけに、EV戦略全体の見直しを迫られる。

値引き競争の激化で採算が悪化

 ホンダはGMから大型SUV(多目的スポーツ車)タイプのEVをベースにしたOEM(相手先ブランドによる生産)車の供給を受けて、2024年に「プロローグ」の車名で北米市場に投入する計画を持つなど、GMとの間でEV関連事業の連携を強化してきた。

 量販タイプのEVの共同開発はこの一環で、2022年4月に発表したばかり。多額の投資が必要なプラットフォーム(車台)を共通化し、GMが開発した駆動用バッテリー「アルティウム」を搭載したEVを3万ドル(約450万円)程度の価格帯で、2027年以降、世界各市場で両社それぞれのブランドで展開する予定だった。

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