今週もお疲れ様でした。日銀が10月31日の金融政策決定会合で打ち出した長短金利操作(YCC=イールドカーブ・コントロール)の修正は、これまで長期金利の事実上の上限を1%としていたものを「1%をめど」とするという小幅なものになりました。
YCCは10年国債金利の上昇を抑えるために日銀が大量の国債を買い入れるかなり特殊な政策であり、いまの円安・物価高を後押ししてしまう副作用も見逃せません。YCCの撤廃からマイナス金利解除へと進むに越したことはないのですが、悩ましいのは「賃金の上昇を伴う形での2%の物価安定目標の実現」という植田総裁が打ち出している方針です。
市場では、植田日銀は来年の春闘の賃上げ状況を見極めてから動くという見方が多数派ながら、問題はそれまで景気がもってくれるのか。もし景気腰折れが先に来れば、異次元緩和の出口は遠のきます。それでも、国内では「めど」の小幅修正であっても重要な前進とする向きが多い一方、海外メディアの評価はどうなのか。WSJ紙、FT紙の関連記事を取り上げました。
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