連載小説 オペレーションF[フォース] 第37回
2023年11月4日
【前回まで】制服組の切迫感を肌で感じつつ、要望書を上げるという井端の提案に、磯部は同意できなかった。財務省では、周防たちが臨戦態勢を想定して、補正予算の算定を始める。
Episode4 カナリア
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目が覚めた時、どこにいるのか、分からなかった。
眼鏡を掛け周囲を見渡して、ようやく草刈は自宅の寝室だと理解した。
いつ、戻ってきたのだろう。
防衛省のプレスルームで、朝まで粘るはずだったのに……。
そこで、ようやく頭が現実に戻った。
時計を見ると、午前10時前だった。
保育園の送りの時刻を、とっくに過ぎている。
慌てて起き上がると、貧血を起こして、座り込んでしまった。
今度は、ゆっくりと立ち上がって部屋を出たところで、母と顔を合わせた。
「あら、もう起きちゃったの?」
「希の保育園!」
「和彦[かずひこ]さんが、行ってくれましたよ。だから、もう少し休んでなさいよ」
「私、何時に帰ってきたの?」
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