長野光と関瑶子のビデオクリエイター・ユニットが、現代のキーワードを掘り下げるYouTubeチャンネル「Point Alpha」。今回は、東京大学大学院教授で研究センターd.lab長、技術研究組合RaaS理事長を務める黒田忠広氏に話を聞いた。 ※主な発言を抜粋・編集してあります。

「第三の成長期」に突入した半導体業界

──10年後の半導体業界は、どのようになっていると予測しますか。

 「半導体産業はこの40年間、浮き沈みこそありましたが平均で年率9.4%の成長を続けてきました1。世界の半導体市場は今後も継続的に成長し、2030年には、1兆ドルを超えると予測されています2

 「昨今では、スマートフォンの新興国での普及が劇的に進んでいます。2021年から2029年のスマートフォン市場の年平均成長率が7.3%と予測されています3。半導体の過去40年間と向こう10年の成長がいかにすごいものであるか実感できると思います」

 「半導体産業の加速的な成長が期待される理由は、半導体が第三期の成長期に突入するためです」

 「1990年代の半ばまで、半導体は主に家電に使われていました。我々の生活空間、つまり物理空間を快適にするための用途に用いられていたのです。家電市場が、半導体の第一期の成長を支えていました」

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