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【前回まで】台湾の潜水艦は返還する、条件は日中安全保障条約締結への協力――。華首相の提案は罠か好機か。元外務省の野添の反対を押し切って、都倉は提案を呑む決断をする。

 

Episode5 四面楚歌

 

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 華と一緒に記者会見を開くと決定してから、長時間待機させられた。

 国家主席ら政治局常任委員への報告、軍への対応要請と順調に進んでいると、順次、王課長から報告があったが、それでも会見に至るまでには、長い道のりがあったようだ。

 都倉としては、記者発表の前に、大迫総理と繁森外相に連絡しておきたかった。

 当初は、「それは、できない相談だな」と華は却下したのだが、都倉を日本政府代表として記者会見に臨ませたいなら、それは必須と説き伏せた。

 だが、そのゴーサインがまだ出ないのだ。

 明け方近くになって、ようやく王課長が「会見は、早くても明朝になるので、暫く仮眠をお取り願いたい」と言ってきた。

 到底、眠れる心境ではなかったが、それでも、会見で失言するわけにはいかず、都倉は、用意された部屋で、横になった。

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