AMISOMの長であるMohamed El-Amine Souef氏、及びAMISOM構成主要国の駐ソマリア大使の方々と筆者(AMISOM提供)

 アフリカ大陸東海岸がインド洋に鋭く突き出た部分は、「アフリカの角」と呼ばれる。これはどういう場所だろうか。

「英米系地政学理論」の雄と言ってよいハルフォード・マッキンダーは、ユーラシア大陸とアフリカ大陸の接合に着目し、両者をあわせた広大な大地を「世界島」と呼んだ。マッキンダーにならって「世界島」をイメージすると、「アフリカの角」は、朝鮮半島、インドシナ半島、インド半島、アラビア半島、ヨーロッパの半島と並び、「世界島」の主要な「半島」の一つだと考えることができる地域だ。

 マッキンダーによれば、大陸から突き出た半島は、「橋頭堡(bridgehead)」であり、海洋国家と大陸国家の確執が、最も先鋭化する地域である。実際に、「アフリカの角」に位置するソマリア、そしてその隣国のエチオピアは、冷戦時代に、米ソ間の激しい勢力争いの主戦場の一つだった。もちろん20世紀以前には、欧州帝国主義の列強が、「アフリカの角」をめぐって、しのぎを削っていた。

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