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【前回まで】潜水艦を返還させた都倉の行動について、外務省は一切関知しない、日中関係は変わらない――特命全権大使の及川はそう告げた。その時、官房長官が談話を発表する。

 

Episode5 四面楚歌

 

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 官房長官、「都倉総務会長の行為、遺憾」

 “三好官房長官は、台湾軍潜水艦の返還問題について、「都倉響子・総務会長の行為は、独断専行であり、政府としてまったく与り知らないものである。日本国の国会議員として、反逆行為に等しい。保守党による厳しい処分を期待している」と遺憾の意を表明した”

 予想通りの談話だった。だが、都倉の決断によって、一触即発だった日米中台の衝突が回避された点について、まったく言及していないのに、都倉は失望した。

 自国が戦争に巻き込まれるかも知れない危機より、与党内の跳ねっ返りの暴走が我慢できない――。日本政府は、こうやって国際情勢の核心に目を背け続けて、メンツばかりにこだわって破滅していくのだろうか……。

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