2023年中に新規生産ないし近代化改修された装備品の数は戦車1530両、歩兵戦闘車・装甲兵員輸送車2518両であり、平時の3.5~5.6倍に達したとされる[対ドイツ戦勝記念日のパレードのリハーサルに臨むロシア軍=2023年5月7日、ロシア・モスクワ](C)AFP=時事

 ロシアがウクライナへの侵略を開始してから丸2年が経とうとしている。この間、戦況についてはメディアが詳しく報じてきたが、侵略を行っているロシアの軍事力がどのような状態にあるのかについては意外に報道が少なかった。もともと情報公開の限られた国であったところに来て、戦時下で情報統制がさらに厳しくなったためだろう。

 ただ、北朝鮮のようにあらゆる報道や言論が国家の統制下に置かれるというところまでは至っておらず、一定の情報は依然として入手可能である(何しろ筆者が購読契約しているロシア軍の部内誌もまだ届いているくらいなので)。そこで本稿では、この2年間でロシアの軍事力がどう変化したのかを見ていくことにしたい。注目したのは、「ヒト・モノ・カネ」の3点である。

世界第4位「150万人」をめざすロシア軍

 まずはヒト、すなわちロシア軍の人員充足状態についてみていくことにしよう。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。