「経済と気候中立」両立へ舵を切った「環境先進国」スウェーデン
2024年1月12日
スウェーデンは環境先進国として知られている。
1960年代初頭、化学物質によって環境や生態系が深刻な被害を受けることを明らかにしたレイチェル・カーソンによる『沈黙の春』の出版を契機に、世界中で環境保護の動きが活発化した。その中で1972年に史上初の環境問題に関する国際会議を主導したのがスウェーデンだった。
その後も1991年にフィンランドに続き世界で2番目に炭素税を導入するなど、政策レベルでスウェーデンは環境保護を推進してきた。
さらに、自然を破壊しない程度であれば、自由に森林に立ち入り、ベリー摘みやテント泊が可能であるアッレマンスレッテン(Allemansrätten, 直訳すると「全ての人の権利」だが、日本では「環境享受権」などと訳されることが多い)を行使しながら、子供の頃から自然に触れ合う体験も多い。制度だけでなく、教育や体験を通じて、スウェーデンでは環境保護の意識が高い。
と、ここまでは「環境先進国スウェーデン」のイメージに沿った話である。
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