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【前回まで】帰国の機内で、保守党の和気から都倉は、党四役との面談のため、空港から党本部に直行するよう伝えられる。そしてSNSでは中国のスパイ呼ばわりされているとも――。

 

Episode5 四面楚歌

 

16(承前)

 空港でも、党本部前でも、メディアが待ち構えていたが、都倉は一切口を開かず、通り過ぎた。

 そして、幹事長室に入るなり、重苦しい雰囲気に放り込まれた。

 幹事長の保土谷以下、全員が、険しい表情で都倉を見据えている。

「あれだけのパフォーマンスをやらかしたんだ。覚悟はできているんだろう」

「事前に、ご相談できずに失礼致しました。そういう状況になく」

「釈明は無用。君は、総務会長を解任され、先程、保守党員を除名された。さっさと議員辞職の届けを、衆院議長に提出しなさい」

「はばかりながら、議員を辞職するつもりはございません」

「おい、都倉! 君は自分がしでかしたことがわかっているのかね?」

 新総務会長に就任した鬼塚権蔵[おにづかけんぞう]から怒声が飛んで来た。

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