選挙年1月の支持率でこれだけライバルを圧倒して指名候補争いで敗れた例は、現在の予備選制度が確立した1970年代半ばから一度もない[2024年1月16日、アメリカ・ニューハンプシャー州アトキンソン](C)AFP=時事

 2024年米大統領選挙の共和党指名候補争いの皮切りとなるアイオワ州党員集会が日本時間の1月16日に終わった。結果は事前の予想通り、ドナルド・トランプ前大統領が圧勝した。

「影の予備選」の勝利者トランプ

 アイオワ党員集会の前に「影の予備選(シャドープライマリー)」は過去半年以上前から続いてきた。共和党側では複数の候補者が立候補したが、世論調査の支持率を争うこの戦いでマイク・ペンス前副大統領、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事ら主要候補の多くが脱落し、最後に残ったのは数人だけだ。世論調査の数字は献金額にも跳ね返る。「影の予備選」の終了段階で指名候補争いの大筋はみえる。

 つまり、実際の予備選段階は始まったばかりだが、共和党の指名候補争いは既に山場を迎えたといっても過言ではない。

「影の予備選」で圧倒的強さを見せたのがトランプ前大統領だった。

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